資料No. 03-3
報告書タイトル 都市交通とまちづくりに関する研究
委員会名 都市交通とまちづくり研究委員会
委員長名 三星昭宏(近畿大学 理工学部 社会環境工学科)
活動期間 平成12年4月〜平成15年3月
発行年 平成15年8月1日

報告書目次

まちづくり課題によせて
まちづくり部門のコンサルタント誕生の萌芽
「建設コンサルタントらしさ」の重要性とその活用に向けて

第1編 研究会の概要

1.研究の目的
 1.1 研究会設立の経緯
 1.2 研究の目的
2.全体構成
 2.1 学識委員
 2.2 研究委員
3.研究委員会等の開催状況
 3.1 平成12年度
 3.2 平成13年度
 3.3 平成14年度

第2編 都市交通とまちづくり

1.はじめに
2.都市交通の問題点
 2.1 交通渋滞・交通事故の増大
 2.2 公共交通の衰退
 2.3 地球環境の悪化
 2.4 高齢社会問題
 2.5 中心市街地の空洞化
3.自動車社会からの脱却〜TDM施策〜
 3.1 社会的背景
 3.2 これからの都市交通施策
 3.3 日本の都市計画の特徴
4.まちづくりにおける住民参加手法
 4.1 「まちづくり」について
 4.2 パブリックインボルブメントという概念の台頭
 4.3 住民参加と住民主体

第3編 建設コンサルタントとまちづくり

1. 建設コンサルタントとは
2.まちづくりとのかかわり
3.建設コンサルタントが抱えるジレンマ
4.まちづくりにおける建設コンサルタントの今後のあり方

第4編 建設コンサルタントによる検討事例

1.研究目的と全体構成
2.大阪府枚方市をモデルとしたケーススタディ
 2.1 枚方市における新たな公共交通の導入可能性について
  (1) 枚方市の現況と将来像
   @ 市域の現状
   A 市域の将来像
  (2) 新たな公共交通の導入のあり方
   @ 新たな交通システムの要件
   A 導入ルートの選定にあたって考慮すべき事項
   B 導入システムについて
   C 他の施策との連携イメージ
 2.2 枚方市におけるLRT導入のケースステディ
  (1) 検討概要
  (2) 検討の前提条件
  (3) 導入イメージに関する検討
   @ 現況道路の幅員構成
   A 導入イメージ
  (4) LRT単線部に関する検討
   @ サービス水準を維持するためのすれ違い間隔
   A 通行規制の自動車交通への影響
   B 沿道環境改善効果
  (5) 事業採算性の見通し
   @ 検討概要
   A LRT事業に関する検討
   B 道路事業に関する検討
   C 事業成立のための問題点、課題の把握
  (6) ターミナル及び周辺地域に関する検討
   @ 京阪枚方市駅周辺地区に関する検討
   A JR津田駅周辺に関する検討
    A-1 JR津田駅及び周辺地域の現状
    A-2 JR津田駅周辺整備の方向
    A-3 JR津田駅周辺整備に関わる今後の課題
  (7) ケーススタディのまとめ
 2.3 実現化のための課題と展開
  (1) 課題
  (2) 実現に向けての展開
  (3) LRTを活かしたまちづくり実現に向けて

第5編 視察・講演

1.長崎視察報告
2.阪急伊丹駅ターミナル整備
3.らくらくえんオフィス(広島タウンモビリティ)
4.梅田歩行者ITS

報告書全体概要

1.研究会設立の経緯
 本研究委員会は、平成12年度技術研究委員会公募における「都市交通に着目した快適で魅力あるまちづくり」「公共事業への住民参加手法」の2つの応募が基になっている。これら2つのテーマには共通する部分が多く、「都市交通とまちづくり」として1つの委員会で研究を行うことの提案が技術専門部会よりなされ、本委員会が設立された。
 委員会設立の主旨としては、以下の2つの観点が挙げられている。
 @交通渋滞・CO2削減・温暖化・高齢化・バリアフリー・情報公開・住民参加等の今日的課題に対し、都市交通の観点からまちづくりを考えていく。
 Aまちづくりの地域参画のあり方、手法等について、コンサルタントとしての立場から提言が行えれば有用である。

2.研究の目的
 21世紀初頭に訪れる超高齢化社会の到来に備え、これからの"まちづくり"について考えるときに、高齢者や同じ交通弱者と言われる障害者に対応したモビリティー確保のシステムづくりが必要不可欠である。また「低コスト、低公害で地球に優しい」と路面電車等が脚光を浴びているように、交通渋滞の緩和・解消、CO2削減等の環境問題を踏まえた都市交通のあり方にも変革が必要である。
 必然的に、これら公共事業の計画・施工・維持管理の進め方として、事業計画当初から個々の公共事業の影響範囲にある住民との対話や情報提供により、住民参加や当事者参加によりお互いの理解を深め、事業を計画・推進する方法がとられるべきものとなり、コンサルタントの役割も重要となってくることが考えられる。
 本委員会は、上記背景を踏まえた上で地域参画型の"まちづくり"を計画していく中で、課題実現に向けての手法等の研究と、まちづくりの地域参画のあり方・手法等について、コンサルタントとしての立場から提言を行うことを目的とする。

3.研究委員会等の開催状況
3.1 平成12年度
 初年度である平成12年度は、前半で研究委員会の進め方の討論とともに、事例紹介・講演で交通とまちづくりの基本的事項の理解を、後半で「自然と社会の要請」「新交通戦略」「経済環境・都市活性」の3テーマによる研究を、分科会に分けて行った。

3.2 平成13年度
 2年目となる平成13年度は、LRT導入の市民団体が存在する枚方市を題材に、都市交通とまちづくりにおける現況の把握と課題を整理し、まちづくりの将来像のイメージを持つこととした。

3.3 平成14年度
 最終年度である平成14年度は、これまで研究してきた「都市交通とまちづくりのかかわり」を念頭におきながら、より具体的に「枚方市へのLRT導入」というモデルケースを設定し、課題整理と解決策の提案を行うべく、分科会に分かれて研究を行った。

委員名簿

No. 所属 名前
1 近畿大学理工学部社会環境工学科 三星 昭宏
2 (財)千里国際情報事業財団 土井 勉
3 流通科学大学情報学部経済情報学科 三谷 哲雄
4 (株)修成建設コンサルタント 五十嵐 保
5 (株)日建設計シビル 犬塚 紀和
6 八千代エンジニヤリング(株) 岩井 和夫
7 (株)ニュージェック 川崎 順二
8 玉野総合コンサルタント(株) 熊尾 進
9 正和設計(株) 小畑 吉孝
10 中央復建コンサルタンツ(株) 高木 真志
11 (株)修成建設コンサルタント 高萩 浩史
12 中央復建コンサルタンツ(株) 浜 研一
13 国際航業(株) 藤田 浩司
14 パシフィックコンサルタンツ(株) 古田 俊彦
15 (株)オリエンタルコンサルタンツ 前川 章
16 (株)オリエンタルコンサルタンツ 宮本 直樹
17 (株)東京建設コンサルタント 村山 次男
18 (株)淺沼組 茂里 知弘
19 (株)建設技術研究所 吉岡 直哉
20 日本建設コンサルタント(株) 吉田 香織