資料No. 07-2
報告書タイトル 橋の限界状態設計法の現状と橋梁環境
委員会名 橋梁環境と限界状態設計法研究委員会
委員長名 北田俊行(大阪市立大学大学院 工学研究科)
活動期間 平成16年4月〜平成19年3月
発行年 平成19年7月1日

報告書目次

はじめに

第1編 限界状態設計の現状と橋梁環境

1.まえがき
2.限界状態設法の動向
 2.1 限界状態設計法の現状
 2.2 限界状態設計法の基礎
3.鋼・コンクリート混合連続桁橋の試設計とその破壊確率の試算
 3.1 鋼・コンクリート混合連続桁橋の試設計モデルの検討
 3.2 鋼・コンクリート混合連続桁橋の試設計
 3.3 作用断面力の評価
 3.4 限界状態
 3.5 限界状態の評価
4.橋梁環境と限界状態設計法
 4.1 環境に配慮した限界状態設計法について
 4.2 現状調査
 4.3 各種要求性能
 4.3 騒音に関する限界状態の評価
 4.3 騒音に関する橋梁環境設計法について
5.あとがき

第2章 耐震設計と橋梁環境

1.まえがき
2.入力地震波
 2.1 近畿地方で想定されている地震動
 2.2 入力地震波
 2.3 作成した地震波の特徴
3.検討対象橋梁の設定
 3.1 設定条件
 3.2 上部構造(上部構造重量)の設定
 3.3 多点固定とした場合の下部構造の試設計
 3.4 モデル化
4.各種デバイス,耐震対策の調査
 4.1 デバイスの紹介(分散・免震・制震)
 4.2 各種デバイスU-29
5.デバイスと橋脚断面との関係
 5.1 PC桁
 5.2 鋼桁
 5.3 まとめ
6.あとがき

第3章 耐風設計と限界状態

1.まえがき
2.各種耐風・耐震設計基準の比較
 2.1 要求性能
 2.2 再現期間
 2.3 設計外力
3.耐風設計の現状
 3.1 設計風速の設定
 3.2 設計手法の比較
 3.3 風による損傷事例(文献調査)
4.試設計と破壊確率
 4.1 対象橋梁の設定
 4.2 ガスト応答解析
 4.3 風および地震による破壊確率評価式の検討
 4.4 風および地震による破壊確率算出シミュレーション結果
 4.5 結果と考察
5.あとがき
おわりに

報告書全体概要

はじめに

これまで日本の橋梁は,低コスト・高機能・大量同時期建設という傾向で整備されてきた.しかし,近年は,橋梁の「環境との調和」が重要視されている.すなわち,今までのように安全と機能と低コストのみを追求するのでなく,橋梁環境(騒音・振動・景観・生態系など)についても建設コンサルタントとして注目し,対応していく必要がある時代になってきた.

一方,近い将来改訂される道路橋示方書では,性能照査型設計法が本格的に取り入れられることが予想される.この性能照査を行うためには限界状態設計法の導入が合理的であると考えられる.しかし,橋梁環境に関する具体的な性能照査指標・各種限界状態の定義が明確ではないのが現状である.そこで本委員会は,橋梁環境と各種限界状態との関連について調査・研究を行い,環境に配慮した新しい橋梁の開発,および既存橋梁の高機能化のための新技術について検討することを目的とした.

本委員会は,学識委員4 名と委員34名とからなる計 38名で構成された.本委員会の調査研究期間は平成16 年4 月より平成19 年3月までの3年間であった.具体的な活動内容は以下のとおりである.平成16 〜 17 年上期には,橋梁環境および限界状態設計法に対する理解度を深めるため,講演会,講習会,見学会等を実施した.平成17 年下期〜18年には,下記の3つの分科会活動により具体的な調査・研究を行った.それらの成果を基に,この研究報告書のとりまとめを行った.

(1)橋梁環境と限界状態設計法分科会:主査 北田俊行、山口隆司
  @ 限界状態設計法が簡単にわかる資料の作成
 A 鋼・コンクリート混合連続桁橋のシステムとして破壊確率の検討・試算
 B 橋梁環境に関する現状調査
 C 環境負荷の緩和に配慮した橋梁構造物に要求される各種性能の整理
 D 環境負荷の緩和に配慮した橋梁構造物の限界状態設計法の検討
 E 橋梁の振動・騒音の現状と低減法に関する検討
(2)耐震分科会:主査 伊津野和行
 @ 橋梁をスレンダーな構造とすることを目指し,中小規模のコンクリート橋および鋼橋の試設計を行うとともに,耐震デバイスの資料収集・整理と
    その効果に関する検討
 A 地震(耐震設計)とLCC の関係から橋梁設計のパフォーマンスについて調査・検討
 B スレンダーで景観にも配慮した橋梁の耐震設計の検討
(3)耐風分科会:主査 白土博通
 @ 各種耐風・耐震設計基準の比較
  A 耐風設計の現状と風を起因とする損傷事例の収集・調査
 B モデル橋梁における風および地震の破壊確率評価式の検討

本報告書は,以上の分科会活動の代表的な成果を取りまとめたものである.この報告書が、(社)建設コンサルタンツ協会・近畿支部の会員各位,および橋の限界状態・橋梁環境に関心のある多くの読者に少しでも参考になる点があれば,本委員会の委員全員の喜びとするところである。

橋梁環境と限界状態設計法研究委員会 委員長 北田 俊行


委員名簿

No. 氏名 所属
1 大阪市立大学大学院工学研究科 都市系専攻 北田俊行
2 京都大学大学院工学研究科 社会基盤工学専攻 白土博通
3 立命館大学理工学部 都市システム工学科 伊津野和行
4 大阪市立大学大学院工学研究科 都市系専攻 山口隆司
5 オリエンタル建設葛Z術部 設計チーム 村田昌寛
6 潟Iリエンタルコンサルタンツ関西支社 構造グループ 河邑智也
7 片山ストラテック葛エ梁設計部 設計2課 端本勝介
8 川口金属工業渇c業本部 西部営業部 森田征樹
9 川田テクノシステム椛蜊辮ン計部 設計課 上野勝敏
10 協和設計叶ン計部 林田洋明
11 褐嚼ン技術研究所大阪本社 道路交通部 坪井勝保
12 駒井鉄工葛エ梁事業部 橋梁部 大阪設計課 上田隆博
13 JFEエンジニアリング樺テ製作所 鋼構造技術部 津橋梁設計室 田平秀和
14 JIPテクノサイエンス鰹報技術部 木一彦
15 住友重機械工業鞄S構機器事業本部 技術開発部 西日本技術G 桧垣孝二
16 セントラルコンサルタント椛蜊緕x社 技術部 構造橋梁G 小林修
17 椛詩技術コンサルタント大阪支社 橋梁設計室 小林康晃
18 大日本コンサルタント椛蜊緕x社 構造技術部 曳野誠也
19 大和設計葛Z術第二部 第一課 伊奈三郎
30 瀧上工業叶カ産本部 技術設計グループ 設計チーム 武藤英司
31 中央復建コンサルタンツ葛エ梁系グループ 神原康樹
32 中央復建コンサルタンツ鞄S道系グループ 永井史保
33 樺キ大大阪支社 第二構造技術部門 北島 勉
34 東洋技研コンサルタント葛Z術本部 技術第3部 桶川洋志
35 東洋技研コンサルタント葛Z術本部 技術第 1部 徳富康晃
36 日本技術開発椛蜊緕x社 構造・橋梁部 庄司和晃
37 日本橋梁葛Z術部 川村弘昌
38 日本工営椛蜊緕x店 技術部 山本 亨
39 鞄本構造橋梁研究所大阪支社 設計部 設計二課 前田雅夫
30 潟jュージェック道路グループ 橋梁チーム 中谷 洋
31 バウエンジニアリング葛エ梁グループ 石田 一哉
32 パシフィックコンサルタンツ椛蜊纐{社 交通技術部 構造 G 新倉利之
33 轄辮_コンサルタンツ構造解析G 新名 裕
34 潟sーエス三菱大阪支店 土木統括部 開発グループ 張 建東
35 兜x士ピー・エス西日本支店 技術部 土木技術チーム 廣河了亮
36 復建調査設計椛蜊緕x社 設計室 豊田幸司
37 三菱重工橋梁エンジニアリング葛エ梁技術部 設計2グループ 小西英明
38 八千代エンジニヤリング椛蜊緕x店 技術第1部 第2課 惠利展成