上載荷重の異なる地下函体継手の設計と計測

ジェイアール西日本コンサルタンツ梶@   西山 佳伸
○ 中川 秀晴

論文要旨

 関西線今宮・湊町間連続地下化工事(延長約2km)のうち,湊町駅部分は,6階建ての駅ビルと一体構造となっており,駅間の構造物と比較すると,上載荷重に大きな差がある。本報告は,上載荷重に大きな差がある駅部と一般部の接合部分における継手の設計の考え方について述べるとともに,計測結果に基づいて設計の考え方の妥当性を検証するものである。
 最終掘削時のリバウンド量を基に算出した地盤の鉛直ばね値は,道路橋示方書「7.4 地盤反力係数」により求めた値と比較的よく一致した。しかしながら,函体直下における地盤沈下の計測結果は上記の鉛直ばね値を用いて算出した予想沈下量の約1/3となった。実際の沈下は土留工,中間くい等によって拘束されるためと考えられる。なお,現在工事は施工中であり,計測も継続している。
 工事の進捗にともなって荷重が増加することの影響,地下水が回復することによる影響,加えて継手の実際の挙動についても今後注意深く見ていきたい。

キーワード

直接基礎,継手,弾性沈下,圧密沈下,変位,防水,計測