トンネル式配水池の設計

八千代エンジニヤリング梶@○ 田島 三男

論文要旨

 トンネル式配水池とは,トンネル内に直接浄水を貯留し,配水池として利用したものである。トンネル式配水池がよく採用される地域は限定されていて,全国的な実施例は少ない。
 山岳トンネルの標準がNATM方式になってからの事例は,なおのこと少ない。
 当社では,昭和63年〜平成4年に3件のトンネル式配水池の設計を行った。この内2件はすでに供用されている。設計の問題点は,配水池に求められる品質,維持管理機能をいかにトンネルに持たせるのか,といったことであった。
 線形構造物に対し,水の流入流出をどうやるか,防水をどう確保するか,維持管理の配慮は十分か,消毒用塩素に対する腐食対策等,細部の問題をどう解決するかが設計のポイントであった。本論文ではトンネル式配水池の設計事例を紹介し設計をとおして取得した,計画・設計の要点を述べたものである。

キーワード

上水道,配水池,山岳トンネル,NATM