PRC単純床版橋の設計

東洋技研コンサルタント梶@○ 中野  晴之
宮崎  平和
小賀野宗弘

論文要旨

 本報告は,プレテンションおよびポストテンション方式の単純床版橋(道路橋)に対するPRC設計の適用について,日本道路公団の『PRC道路橋設計マニュアル(案)』5)-7)(道路橋示方書1)に準拠)に基づき構造検討を行い,経済断面を模索するとともにその構造的特徴について考察したものである。
 プレテンション方式については,『建設省標準設計』4)を基本断面として選定し,橋長L=23mのケースに対して,PRC構造適用の妥当性について検討を加えた。検討の結果,1)工場製作工程の変更は必要となるが,構造上の問題点は特にない,2)PCに対してPRCの方が5%程度経済性に優れる,3)PCに比較してPRCではPC鋼材本数が約45%程度となる,4)主桁断面はスパンに応じた標準設計断面を適用できる等が立証できた。一方ポストテンション方式においては,プレテンション方式との景観上の整合性より,水切り下面を連続させた全主版タイプの場所打ち中空床版形式を対象として,橋長L=27.8mのケースについて検討を行った。検討の結果,『PRC道路橋設計マニュアル(案)』で提案する桁高/支間長=1/19程度が最適断面となることがわかった。

キーワード

PRC道路橋,プレテンションおよびポストテンション方式,単純床版橋