奈良公園荒池整備計画

八千代エンジニヤリング(株) 大阪支店  ○ 鶴田 康幸

論文要旨

 荒池は、水源域を御蓋山(三笠山)に持ち、春日大杜の境内、奈良公園を集水域としている。国道169号線から興福寺の五重塔を眺めたときの風景は、古都奈良を印象づける景観となっている。荒池は下流市街地への洪水調節の役割を果たしているが、さらに下流域での治水安全度の向上が求められた。本事業設計では荒池を流域貯留施設としてリニューアルすることを目的とし、また洪水調節機能のみならず、堤体構造の補強や耐漏水、耐浸透性による施設の信頼性の向上、周辺景観との調和が求められた。本論文では、1)洪水調節計画、2)景観設計、3)堤防の耐浸透流対策等について報告するものである。

キーワード

治水対策、流域貯留浸透施設、水辺環境整備