琵琶湖における近年の水質挙動について

株式会社日建設計 土木事務所 環境計画室 ○ 野中 昭彦
斎藤 貴裕
田中 啓介

論文要旨

 琵琶湖は,約400万年の歴史を有するわが国最大の湖沼であり,その湖水は湖岸域や下流沿川での1400万人の水道水源として利用されるほか,豊かな生態系を育むことなどから,近畿のみならずわが国の貴重な財産である。これまで琵琶湖の水質保全には様々な対策が実施され,一時,水質の改善傾向がみられたが,1980年代中頃より再び悪化傾向にある。本論ではこの状況をふまえて,近年の水質挙動を整理するとともに湖内水質に影響する流域の社会条件等の動向を分析した。この結果,琵琶湖での時間・空間・項目間の水質特性や,生活排水・下水処理水・土地利用が水質上昇に及ぼす影響を明かにしたほか,今後の調査課題などを明らかにした。

キーワード

琵琶湖,湖沼,水質保全,有機汚濁