霞ヶ浦流域における総合的な水循環モデルの構築

褐嚼ン技術研究所 大八木 豊

論文要旨

 流域開発が進行した閉鎖性水域では、水質汚濁が依然として深刻な問題となっている。このため行政機関と流域住民が一体となった流域管理による水質浄化が従来の下水道整備等の施策に加えて必要とされている。本研究では、地理的スケールの最小単位を標準地域メッシュ(役ku)とし、霞ケ浦流域を1,811メッシュで再構成し、GIS(Geographic Information System:地理情報システム)を活用して自然系水循環モデルと人口系水循環を組み合わせた総合的な水循環モデルを構築した。これにより各メッシュから近傍の霞ケ浦流域河川へ流出する自然系流出量に対する人口系排水量の割合を把握することができるため、本モデルは流域管理に有用なツールになりうるものと考えられる。

キーワード

水循環、流域管理、GIS