区画整理事業における軟弱地盤上での盛土施工について

玉野総合コンサルタント梶@井口晴樹

論文要旨

 区画整理事業において沖積粘土層が12m以上堆積する軟弱地盤上での宅地盛土計画を行うにあたって、盛土工の圧密沈下に伴う近接した既設構造物(JR,一般家屋)への影響、盛土施工による建設作業騒音・振動の影響、事業完了後の自動車走行による道路交通振動の影響が懸念される地区において、実施工に近い方法で行う試験盛土より得られる動態観測および建設重機の騒音・振動観測を用いて建設検討を行った。
 区画整理ではその事業費を補助金と保留地処分金により事業を行うものであり、軟弱地盤上での区画整理となると通常の地盤上で行う区画整理に比べ、軟弱地盤の対策にかかる費用分だけ減歩が多くなる事が予測され、この対策費用を以下に安価で行うかが課題となる。
 本地区では、この課題に対して先に述べる観測を設計に先立ち行うことにより、経済的かつ効果的な設計・施工計画を行った事例を紹介するものである。

キーワード

区画整理事業、軟弱地盤、盛土施工、動態観測、コスト縮減