PC横締め形式URT工法の耐震性の検証について

ジェイアール西日本コンサルタンツ梶@   岡本 聖智

廣田 秀夫

○ 栗林 賢一

石川島建材工業梶@    泉 保彦

論文要旨

 甲南山手自由通路新設計画は、JR東海道本線甲南山手駅に隣接する南北交通広場を結ぶことによって、歩行者の利便性の確保・安全で快適な歩行者空間の創出・防災機能の向上を目的として、当駅下に自由通路を新設するものである。
 当自由通路はJR東海道本線及び甲南山手駅ホーム橋脚下に施工するボックスカルバートであり、その下部には雨水管(φ1200o)があるため、施工空間の制約が非常に厳しい。また、当該工区は高速かつ旅客輸送量の多いJR東海道本線直下の施工であり、徐行期間を極力短くする必要がある。以上の条件等を勘案してURT工法(PC横締め形式)を採用した。この工法はURTエレメントを箱形に配置し、相互間にPCケーブルを通し、コンクリートを打設した後、緊張力を導入して一体化し、ボックスカルバートを構築する工法である。しかしながら、これまで本工法に対する兵庫県南部地震以降の新耐震基準が定められておらず、設計された実績がなかった。本稿は、新耐震基準を初めて導入するにあたり、正負交番曲げ繰返し載荷試験(以下「交番載荷試験」と呼ぶ)を実施して、その耐震性を検証した結果について述べるものである。

キーワード

線路下横断, ボックスカルバート, URT工法(PC横締め形式), 正負交番曲げ繰返し載荷試験