高知県西南豪雨を例とした被災時の情報提供のあり方

論文要旨

平成13年9月5日から6日にかけて高知県西南部では、総雨量612mm、時間最大雨量131mm/hr(姫ノ井観測所)の記録的な豪雨により、宗呂川、小才角川等が氾濫し、千棟あまりの住宅に甚大な被害が発生したが、自主的な避難等により奇跡的に一人の犠牲者も出なかった。災害後、高知県では学識・行政からなる検討委員会を設立し、数度の審議を経て、計画規模1/30年確率の治水計画に基づいた河川改修等が進められている。これらのハード対策に加えて、地域の協働を活かしたソフト対策も併せて進めていくことが極めて重要である。本論文では、高知県西南部豪雨を例にとり、災害発生時の行政から住民への情報提供、住民間の相互扶助を検証するとともに、被災住民へのヒアリング等を踏まえて、災害時の情報提供、避難誘導施策等のソフト対策のあり方について考察する。

キーワード

西南部豪雨、ハード対策、ソフト対策、情報提供、住民間相互扶助