U型断面を有するスラブ桁の疲労特性について

関西航測梶@○ 小柴 友彦
山本 佳克

論文要旨

 一般に都市部における河川改修に伴う鉄道橋の架け替えを行う場合,振動や騒音の低減のために,有道床化や桁のPC・RC化が行われる場合が多いが,計画高水位と既設の軌道高との制約条件を受ける。既設のレール面高との整合性をとるためにスラブ上面にU型断面を設けたRCスラブ桁を採用した。
 その第1段階として,スラブ桁の耐荷力特性を確認するために実験を行った。その結果,桁の疲労性状は,はり理論で仮定した全断面有効から引張無視の値に徐々に近づいていき,破壊を確認する上での1つの指標になることを確認した。耐力的には,疲労寿命の推定を行うと約 250年となり,十分な耐力を有しているが,レールは直接スラブに締結されているため,スラブ桁下面から発生したひびわれがこの締結ボルトに達しスラブ上縁の損傷が懸念される。今後の課題としては,締結部の構造等について検討が必要とされる。

キーワード

振動・騒音,疲労,実験,桁高制限,河川改修,レール