緑の基本計画の政策実効性について

日本シビックコンサルタント梶@○ 技術部長 奥山  文朗
豊嶋  勉

論文要旨

 この論文は、平成6年の都市緑地保全法の改正で「市町村の緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画を定めることができる」という条文が設けられたことにより、<緑の基本計画>の策定に着手したA県B市の事例を中心として、その<政策の実効性>について検討したものである。
 緑の基本計画は、従来からあった「緑のマスタープラン」(以下「緑マス」という。)と「都市緑化推進計画」(以下「緑化推進」という。)が統合され、市町村に策定権限が付与されたものである。都市における緑とオープンスペースの保全及び創出に関わる政策を、市町村が実効性をもって総合的かつ計画的に推進できるか否かは、住民、事業者と行政の間に合意形成が可能かどうかにかかっている。計画策定の手順が重要であり、また計画の進行管理と監視のシステム構築が不可欠である。

キーワード

緑の基本計画、政策実効性、市町村権限、保全及び創出、合意形成