三次元による地すべり安定解析例とその問題点

潟Gイトコンサルタント ○ 五百木 耕二

論文要旨

 解析に用いた地すべり地の規模は幅約300m、延長約800m、すべり面深度が20〜80mに達する大規模なもので、孔内傾斜計によりすべり面付近の挙動が計測されている。本来すべり面の傾斜方向と運動方向とは一致するはずであるが、両者には30〜50°の較差があり二次元解析では捉えきれない異方性が認められた。このため、簡易Hovland法による三次元安定解析を行い、滑動力ベクトルとせん断抵抗ベクトルにより平面的な地すべり運動特性を把握した。計算によって求められた滑動力の作用する方向は地すべり変位方向に近似した結果になったが、若干の差があらわれた。以上の三次元解析の事例報告とその結果に対する誤差原因について考察を加えた。

キーワード

地すべり,三次元解析