液状化判定に関する一考察

ジェイアール西日本コンサルタンツ梶@○ 山田 孝弘

論文要旨

 液状化は、過去の液状化履歴の追跡調査や既往の実証的研究成果によって、一般的には、@緩い砂質土である、A飽和している、B強い地震力が作用する、といった要因によって発生すると考えられている。そして、その発生メカニズムの解明や液状化予測手法の技術的進歩ならびに信頼性向上に歩調を合わせる形で、各実務機関の設計施工指針にも液状化に対する記述が見られるようになり、鉄道構造物の設計標準においても、昭和49年の建造物設計標準解説(日本国有鉄道)に液状化判定が初めて導入され、その後、昭和61年に一部修正を加えて、現在に至っている。
 本論文では、まず液状化予測の指標として液状化抵抗率に着目し、その影響因子を統計的手法を用いて分析した結果について考察している。次に、影響因子による液状化抵抗率のモデル化を試みるとともに、それを設計レベルで活用することの有用性について論ずることとする。さらには、本論文の知見も踏まえたうえで、今後の設計体系における液状化の扱い方について私見をとりまとめることとする。

キーワード

液状化抵抗率、影響因子、統計的手法の適用