超軟弱地盤における埋立盛土の安定対策検討

(兵庫県城崎町桃島池における公共施設用地の設計)

パシフィックコンサルタンツ株式会社    門田浩一
○ 龍原  毅

論文要旨

 城崎町桃島池において埋立盛土による土地造成が計画されたが、当該地にはN=0〜1の軟弱沖積粘性土が35m以上堆積しており、土堤護岸のすべり破壊、埋立地全体の長期的な圧密沈下、および近接家屋への影響が懸念された。さらに、当該地には絶滅危倶種であるヒヌマイトトンボが生息しており、工事中の水質の悪化による影響も懸念された。
 そこで、造成地全体にプラスチックボードドレーンを打設し、最大3.7mにもおよぶ圧密沈下を早期に収束させるとともに、護岸部は5段階盛土の緩速施工ですべり破壊を防止する工法を提案した。近接家屋への対策は、沈下抑制効果が大きい深層混合処理工を採用した。その改良範囲は、2次元弾性FEM解析により地盤変形を詳細にシミュレートして、必要最小限に設定した。池の水質汚濁対策としては、矢板と汚濁防止膜で二重の締切り工を行うとともに、濁水処理設備を設置し炭酸ガスにより汚濁のpH調整を行うこととした。

キーワード

軟弱地盤、FEM解析、段階盛土、ドレーン、近接施工、深層混合処理工、水質汚濁対策