供用停止した既設構造物の再使用を目的とした健全度判定

ジェイアール西日本コンサルタンツ 土木設計第二部 ○ 西田 寿生

論文要旨

 供用停止した既設構造物の再使用を目的として健全度判定を行った。対象構造物は明治22年頃に構築され、昭和43年頃使用停止となった鉄道の下部構造物(橋脚・橋台)である。健全度調査方法は目視による外観調査の他、基礎の健全性を調査する為の衝撃振動試験、コンクリートコアを用いた圧縮強度試験及び中性化試験、レンガの材質調査の為の弾性波速度試験を行った。
 衝撃振動試験は通常橋脚とラーメン高架橋を対象としており、構造物毎に算出される固有振動数の値と標準値との比較により健全度判定を行うが、今回対象とした構造物は上部工がてっ去されており、標準値を算定することが不可能であった。そこで隣接する同形状の構造物から衝撃振動試験と固有値解析により、対象構造物の標準値を推定し、対象構造物の健全度判定を行った。

キーワード

健全度判定、衝撃振動試験、固有振動数、弾性波速度