急流地下河川設計における安全性の検証

内外エンジニアリング ○ 高橋  新司
猿渡農武也
河村  廣二

論文要旨

 神戸市灘区の家屋密集地を流れる高羽川の下流部は、河道拡幅が困難な約600m間を残し、改修されている。未改修区間約600mの改修は拡幅に代わる方法としてバイパス案を採用し、現河川に沿った開水路方式の地下河川を計画した。
 この計画によって、高羽川は上層の現河川と下層の地下河川の二層構造となり、横断方向の構造が複雑となる。また、高羽川は縦断勾配が大きく、高水時の流れは上層・下層ともその大半が射流となり、改修済み河川へ移行する地下河川の出口は、上層河川が合流するため、水理的にも分かりにくい構造とならざるを得ない。
 そのため原設計で求めた不等流式による水面形と河道内の流速、ならびに湾曲による偏流からみた構造上の問題点を明らかにするため、水理模型実験を行った。実験は原設計の模型から始め、上層・下層の合流構造を修正しながら実験を行ない、開水路方式の地下河川として安全な合流形態を決定した。

キーワード

二層河川、自由水面をもつ二層河川の合流部、二層河川の水理模型実験