既設橋脚への近接施工影響検討及び動態観測

パシッフィクコンサルタンツ(株) ○ 五十嵐隆之
新井  雅之
二神  健次

論文要旨

 本工事は、既設橋脚と離隔3.5mと近接する橋脚工事である。基礎形式は既設橋脚が鋼管杭基礎、新設橋脚は場所打ち杭基礎である。新設杭施工に関しては現場が埋め立て護岸近傍に位置し地盤条件が悪く支持層は約50mの深さにある洪積砂質土層であること、また、近接施工となることから周辺地盤への影響を最小限にするためオールケーシング工法を採用したが杭施工時に生じる地盤変形が既設橋脚に及ぼす影響が懸念されることから、動態観測を併用しながら観測施工を実施した。動態観測は、杭施工及び鋼矢板打設時に行うプレボーリング施工に伴う地盤変形量を把握し、観測管理値設定解析によって算出した管理値と比較することで工事の継続の是非を判断することを目的とした"集中観測"と既設橋脚と標識柱の基礎の変状を定期的に把握することを目的とした"定期観測"に分類して行った。結果、工事により発生した変状は全て既設構造物に対して設定した管理値以内に収まり工事は無事終了した。本文は、終了した観測施工において、観測管理方法、管理値の設定方法、観測結果について報告するものである。

キーワード

橋脚工事、近接施工、動態観測、観測管理値設定解析