山岳道路のコスト縮減に対する設計上の方策について

梶谷エンジニア株式会社 関西支店設計部 ○ 山之内 武史

論文要旨

 我が国を取り巻く社会経済情勢は,高齢化・小子化・情報化・国際化の進展や,戦後最大級の経済不況,環境問題・災害に対する危機感の増大等を背景として大きな転換期を迎えている。建設部門についてはそのような背景の中で,公共事業予算配分の硬直性,対費用効果,公共事業契約の不透明性など従来の社会資本整備システムに対する批判が起こっている。これらの問題の解消は建設部門の今後の課題であるが,その中でも我々建設技術者に直接関係が深いのが対費用効果である。財源制約下で公共工事の役割を発揮し,対費用効果を上げるためには,内外から批判の多い事業コストの縮減が重要である。本文は,山岳道路でのコスト縮減方策について考察し,日常の業務における具体的な事例を報告する。

キーワード

道路計画,道路構造物,コスト縮減